インフルエンザ ~感染期間と感染力~

こんにちは、内科医Hideです。

 

昨日に続きインフルエンザ記事も書きます。

今日は感染期間と感染力についてです。

 

【ウイルス感染期間】

発症前の24-48時間前からウイルス排泄はありますが、その感染力は発症時とても弱いとされています。

World Health Organization Writing Group, Bell D, Nicoll A, et al. Non-pharmaceutical interventions for pandemic influenza, international measures. Emerg Infect Dis 2006; 12:81.

 

インフルエンザウイルスに感染した1280人を調査した研究では、発症1~1.5日後にかけて急速にその上昇し、2日後にはピークアウトします。その排泄期間は平均で4.8日間だったそうです。

Carrat F, Vergu E, Ferguson NM, et al. Time lines of infection and disease in human influenza: a review of volunteer challenge studies. Am J Epidemiol 2008; 167:775.

インフルエンザ感染した場合の出席停止期間は、解熱後2日間かつ発症後5日間と設定されているのはこのような背景があるんですね。

 

ただし、子供や高齢者、免疫不全患者、肥満の人ではウイルス排泄期間が長期にわたる場合もあり、ある研究では免疫不全患者の排泄期間が19日間であったとの報告もあります。

 

Leekha S, Zitterkopf NL, Espy MJ, et al. Duration of influenza A virus shedding in hospitalized patients and implications for infection control. Infect Control Hosp Epidemiol 2007; 28:1071.

Lee N, Chan PK, Hui DS, et al. Viral loads and duration of viral shedding in adult patients hospitalized with influenza. J Infect Dis 2009; 200:492.

Maier HE, Lopez R, Sanchez N, et al. Obesity Increases the Duration of Influenza A Virus Shedding in Adults. J Infect Dis 2018; 218:1378.

Memoli MJ, Athota R, Reed S, et al. The natural history of influenza infection in the severely immunocompromised vs nonimmunocompromised hosts. Clin Infect Dis 2014; 58:214.

 

【感染力は症状と相関する】

インフルエンザに感染した無症状の患者はウイルス力価が低く、感染力は弱いと推測されています。

Lau LL, Cowling BJ, Fang VJ, et al. Viral shedding and clinical illness in naturally acquired influenza virus infections. J Infect Dis 2010; 201:1509.

 

また家族からの二次感染なども、無症候性や症状の少ない患者の感染力は、症状のある患者と比較してウイルス排泄量は少なかったとの報告もあります。

Ip DK, Lau LL, Leung NH, et al. Viral Shedding and Transmission Potential of Asymptomatic and Paucisymptomatic Influenza Virus Infections in the Community. Clin Infect Dis 2017; 64:736.

 

まあ、感染力が弱いとされているからといっても、診断されてしまったら結局はルールに従わざるを得ないのですが、、

 

医療者としては判断が難しいところでもあります。

 

最近ではテレビで「隠れインフルエンザ」なんで特集もされたりしてほとんど症状がないのに検査をしてほしい、という患者さんも来たりします。

 

これは必要ないだろ~って思うことは多々ありますが、、、

 

でも患者さんからすると、「とりあえず検査をして陰性を確認したい」という思いもああり、確かに感染予防という意味合いでは検査をせざる得ない一面もあります。

 

 

症状の強さ、というのも定義はありませんし、ある程度主観的な判断になってしまうのも考えなければいけないことです。

 

「必要な患者さんに必要な検査をする」という大切な原則を守るためにはしっかりとした知識は最低限必要ですね。

 

何かご意見あればうれしいです。