腎血管筋脂肪種ってナンダ? ~健康診断編~

お久しぶりです。ずいぶん長らく更新が滞っていました。。。

 

気を取り直していきましょう。

 

今日のテーマは、「腎血管筋脂肪種(じんけっかんきんしぼうしゅ)」です。

 

健康診断でお腹の超音波検査をすると、たまーに書かれることがありますが、

漢字が長すぎるし、難しいしよくわからん!って思う人もたくさんいると思います。

そこで、今回は腎血管筋脂肪種の簡単な説明と、指摘されたときどうすればいいのか?ということについてお話します。

 

 

【概要】
・血管、平滑筋、脂肪によって構成されている良性腫瘍です。
 
 
【特徴】
・75%の人が無症状で腎機能も正常です。
・大きさが4cmを超えると、症状が出現する人もいます。
・脇腹の痛み、血尿がでることあります。
・ゆっくりと腎機能が低下することがあります。
・ごくごくまれに腹腔内出血をきたすこともあります。
 
【診断】
・超音波検査の診断能は高いといわれていますが、追加でCT・MRIをとることもあります。
 
・どうしても診断がつかない場合は生検の対象となることもあります。
 
 
 
【フォローアップ】
・2㎝以内であれば、3年に1度の超音波検査
・2-4㎝であれば、1年に1度の超音波検査
 
上記を行い、大きくなっていないかを確認します。
 
 
つまりは、基本的にには良性腫瘍なので安心してOKですが、
4cm以上であったり、症状が強くでている場合は治療の適応となります!
 
ってことですね。おわかりいただけたでしょうか?

ローマ法王来日

おはようございます、内科医Hideです。

本日のテーマはまたまた脱線して「キリスト教」についてです。

11月23日にローマ法王が来日されました。実に38年ぶりということです。

来日の背景などについても言及していきたいのですが、、、

そもそも「ローマ法王」ってどんな人???

という基本的なことからお話しします。
それについては、カトリックとプロテスタントの違いとか、そもそもキリスト教ってどうやって生まれたのか、とか歴史的なことからお話するのがよいと思いました。

というわけで今日は「キリスト教の誕生からカトリックが生まれるまで」について簡単に書きます。


~キリスト教の誕生~

そもそもキリスト教とは何でしょうか??

ざっくりいうと、キリスト教とは、イエス・キリストの教えを信じる、という宗教です。

イエスは紀元前4年に大工の父ヨセフと母マリアの元に誕生します。イエスは元々ユダヤ人教徒であったがユダヤ人のみが救われるのではなく、神を信じる全ての人が救われると説きました。このことでユダヤ教徒の反発を買ってしまい、紀元30年にゴルゴタの丘で処刑されてしまいます。しかし、イエスの教えは弟子たちによって福音書(後の新約聖書)として伝えられていきます。

ユダヤ教が普及していたローマ帝国は新たな考え方をするキリスト教徒を弾圧し、多くの教徒が処刑されてしまいます。しかし、神の元では皆平等だというキリスト教の教えはどんどん広がり、ついには紀元313年にローマ帝国はキリスト教を認めることとなります。これはイエスの死後300年のことです。

その後、ローマ帝国は東ローマ帝国と西ローマ帝国に分離します。この影響もありキリスト教も東の東方正教会と西のカトリックに分離することとなりす。

カトリックからはさらにプロテスタントが生まれ、その一部である清教徒(ピューリタン)がアメリカに渡ることとなるんですね。

なぜカトリックからプロテスタントが生まれたのでしょうか?

当時、善行主義という名のもとでローマ教皇への寄付金(賄賂)を行う、汚職不正が蔓延し始めたカトリックに対して宗教改革を起こし生まれたのがプロテスタントです。その中でも蓄財が許された考え方をするカルヴァン派プロテスタントが後の清教徒(ピューリタン)なんですね。カルヴァン派プロテスタントはイギリスの商業者で広まっていきます。


さて、カトリックとプロテスタントの違いはわかりましたね。

ローマ法王はこのカトリックの最高指導者にあたる方なんです。

勉強になりました。

参考文献
池上彰
社会人として必要な世界の宗教のことがざっと3時間で学べる

ロシア 冷戦までの歴史

こんばんは、内科医Hideです。

今日は医療編から離れて、政治、歴史編です。
参考にさせて頂いたのは、池上彰さんの「池上彰の世界の見方 ロシア」です。

毎度毎度、池上彰さんの本は、ほんとーーに分かりやすいです。

今回はロシア帝国が敗れ、ソ連が誕生してから冷戦に入るまでの流れをざーっとお話させていただきます。


ソ連誕生までの経緯には、マルクスの「資本論」が背景にあります。資本論では、資本主義の批判がされていますが、その前に基本的なこと。

資本主義、社会主義、共産主義、なにが違うの??

ってことからです。意外とちゃんと説明できなかったりしますよね。


*資本主義:資本(=お金)をもつ人が自由に経済活動をしてお金を増やすことができる仕組み。誰しもがお金を儲けて豊かになれるチャンスがある一方で、競争に敗れた人は貧しくなる可能性もある。
例えば、資本主義ではお金持ちになるために新商品を開発する。それがヒットすればみんなが真似して市場は同じような商品で溢れかえる。結果的に過剰生産が起き、物は売れなくなり、競争に勝った人は豊かになり、敗れた人は貧しくなる。


*社会主義:
①企業は個人のものではなく国家のもの
②計画経済を行い、必要なものだけ生産し、必要な分だけ消費することで過剰生産・もの余りを防ぐ


*社会民主主義
北欧スウェーデンやフィンランド、デンマーク、ノルウェーなどが採用している政治
資本主義の欠点をなんとか社会主義の思想で補う
例:税金が高いが、高福祉社会


*共産主義:
社会主義により貧富の差がなくなれば、犯罪や戦争はなくなり、いずれ世界は一つになるという社会主義国家の理想の姿


こんな感じですね。


1917年、レーニンらは、打倒資本主義を実行しロシア革命を起こします。
18~20世紀まで続いたロシア帝国を破り、社会主義国家「ソ連」を作ります。
ソビエトとは、評議会のこと。ロシア革命後に各地で評議会が作られその評議会をもとに共和国が作られていきますね。

周囲の資本主義国家はまだ新しく作られたばかりのソ連なら倒すことができると思い、シベリア出兵を行います。(1918~1922年)
これになんとか勝ったソ連は、資本主義国家に負けない軍事国家を作り始めます。
その過程で言論統制が行われ、言論の自由を失っていき、専制主義に突っ込んでいきますね。


第二次世界大戦後のヤルタ会談で、西ヨーロッパはアメリカが支配し、東ヨーロッパはソ連が支配することが決まりました。ゆくゆくは各国の民主主義に委ねる方針でしたが、ソ連はドイツからの攻撃を受け2600万人の死者を出すほどの被害を受けていた経緯から、東ヨーロッパの国々を緩衝地帯にしようと考えます。

陸地が繋がる国ならではの発想ですよね。


こうして、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、などの国々をソ連型の社会主義、つまり専制主義の社会主義にしていくことになります。


元々は資本準備の批判から始まった社会主義であり、ソ連が社会主義国を増やしていくことにアメリカ、西ヨーロッパの資本主義国は恐怖を感じるなか。。。


アメリカのトルーマンドクトリンを打ち出し、東西冷戦が始まっていきます。。


次回に続く。。

インフルエンザの落とし穴

おはようございます、内科医Hideです。

 

もうインフルエンザ編も佳境に入ってきました。

今回は「インフルエンザの落とし穴」というテーマでお話しします。

 

【インフルエンザの症状】

インフルエンザの症状と普通の感冒症状との違い、つまり

「インフルエンザっぽいな」と思う症状は以下の通りです。

 

  • 症状の出現が急激
  • 鼻・咳・喉の症状に加えて全身症状が強い
  • 関節痛・筋肉痛が強い
  • 熱が38.0~40.0度まで出る

というところですね。

 

これが典型的な インフルエンザ症状 といっていいでしょう。

 

ただし、インフルエンザは亜型が多く様々な型があるため、典型例以外もあります。

また、高齢者の方では、咳や鼻水、喉の症状よりも、食欲不振、倦怠感、めまいといった症状が強くなる場合もあります。

 

また嘔吐や下痢などの胃腸症状は成人では珍しいですが、小児では10~20%の割合で出現します。

 

こういった典型的ではない方々には診断をつけるための検査はしてよいかなと思います。

流行期に典型症状のある方に検査をして陰性であっても60%の割合でインフルエンザである可能性が残る というお話は過去記事≪インフルエンザ迅速検査は本当に必要か?≫で書きましたね。

 

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【インフルエンザ合併症】

インフルエンザでは稀に合併症を引き起こすことがあります。

インフルエンザ肺炎、二次性の細菌性肺炎、や脳炎、筋炎などです。怖いですね。。

 

この怖い合併症になるリスクを考えずにインフルエンザ診療をするのはナンセンスです、というのも治療の方針が変わってくるからです。

 

合併症リスクについては過去記事≪インフルエンザ検査はどんな人にするべき?≫もご覧ください。

 

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  • 5歳未満or65歳以上
  • 妊婦、産褥期(分娩後2週間以内)
  • 慢性的に肺が悪い人(喘息も含む)
  • 慢性的に心臓や血管が悪い人(高血圧症は除く)
  • 腎臓の悪い人
  • 肝臓の悪い人
  • 糖尿病の人
  • 血液の病気の人
  • 神経の病気の人
  • BMI40以上の肥満の人
  • 施設入所者

 

ポイントは治療方針です。

 

つまり合併症リスクの少ない方へのインフルエンザ治療の原則は、

  • 有症状期間の短縮はする(8-24時間程度)
  • 合併症の発生や入院発症率の改善は確実ではない
  • 発症48時間以内でないと効果は薄くなる

というものがありました。

 

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ただ、このようなリスクの高い方には、

  • 有症状期間短縮だけではなく、合併症発生率や入院発症率の改善もある
  • 48時間以降も効果はある

と、リスクの低い方と比較して治療で得られる利点が大きくなります。

 

 

インフルエンザ診療をする際、また受診をする際は

 

  • 典型的な症状なのかどうか
  • 合併症リスクがあるかどうか

 

この2点はしっかり抑えましょう。

 

自分の身は自分で守る、ということも大切な姿勢です。

 

 


 

かくれインフルエンザってなに?

こんばんは、内科医Hideです。

 

今日は当直なので隙間時間でブログ更新していきます!

 

去年外来で診察していた際に

 

「テレビでかくれインフルエンザがいるって言ってて心配できました」

 

という30代の女性「心配 女性 イラスト」の画像検索結果

 

 

症状は咳が少しあるのみで、熱はなし、他に鼻汁や痰、倦怠感などの症状

 

さあ、あなたはインフルエンザの検査をしますか?

治療薬は処方しますか?

どんな説明をしますか?

 

結論からいうと、合併症リスクの少ない患者さんであれば、

 

検査も治療も必要なし!! 

 

です。

 

合併症リスクのある患者さんに関しては過去記事を参照してください。

 

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これを説明するには、まずかくれインフルエンザが何か、そしてその特徴についてを理解する必要があります。

 

【かくれインフルエンザが登場した背景】

 

かくれインフルエンザとは、インフルエンザの症状は軽度だけど、インフルエンザの検査をすると陽性になる人のことです。

 

これは検査の精度が上がったことや、症状が軽度の人が来院してその多くの人に検査を施行したことが背景にあります。

 

このような症状の軽度な人は、感染力が弱いという特徴があります。

 

そして仮にこれらのかくれインフルエンザを診断したところで治療をする必要性があるのか? という問題が浮上しますね。

 

さて前回の記事で書いたように、インフルエンザ治療薬は有症状期間を短縮させるのみで、合併症や入院の発生率を下げる効能は確かではない という特徴があります。

 

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この2つの現実を考えると、

 

かくれインフルエンザに対して積極的に検査や治療をする必要性は医療的には小さいと考えます。

 

しかし、かくれインフルエンザは感染力は低いといえども、やはり普通の風邪や感冒と同様手洗い・マスク・消毒など感染予防はしっかり行ってください!!

 

 

 


 


 

インフルエンザ 治療薬はなにがいいの?

こんにちは、Hideです。

 

今日は一段と寒いですね、、

風邪をひかないよう気を付けましょう!

 

インフルエンザ編もついに治療までたどり着きました。

今は吸入薬や内服薬、点滴薬とインフルエンザ治療薬は色々でていますが、どんな薬がいいのでしょうか?

 

【インフルエンザ治療薬】

 

〇ターゲットは、「合併症リスクの少ない外来患者さん」に絞ります。

合併症リスクに関しては過去の記事を参照してください。

*簡単に言うと、喘息や慢性的な心肺疾患や全身の合併症のない普段元気な成人

 

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タミフル VS ゾフルーザ

 

〈タミフル〉

タミフルに関しても様々な論文がでていますが、まとめると以下の通りです。

☆有症状期間

何も治療しない人と比較し、8~24時間程度の症状期間を短縮させる。

 

☆入院や重篤な合併症

減らすというデータも、減らさないというデータもある

 

☆副作用

嘔気、嘔吐が多い

 

有症状期間に関しては発症48時間以内に内服するということがポイントです。

3日前から熱がでて~という患者さんにタミフルを処方しても、その効果は薄く、嘔気や嘔吐といった副作用の弊害の方が大きくなってしまう可能性が高いです。

 

*ただし「合併症リスクの高い患者さん」「入院が必要なくらい重篤な患者さん」

に関しては、48時間以上経過した後でも効果はありますので積極的に使用しましょう。

 

〈ゾフルーザ〉

 

2018年に開発された新規薬剤です。

☆有症状期間

タミフルと効果の差はほぼなし

 

☆家庭内感染

 

タミフルと効果の差はほぼなし

 

新規薬剤であり、耐性と安全性の確保ができていない

というのが現状ですね。

 

ちなみに、家庭内感染という意味では、治療していない患者さんと、タミフル、ゾフルーザを比較しても差がないというデータもでています。

 

今回の話はあくまで、「合併症リスクの少ない外来患者さん」

に絞って話していることを忘れないでくださいね。

 

参考文献 かぜ診療マニュアル 

山本舜吾先生 吉永亮先生 上山伸也先生 池田裕美枝先生

 

 

 

 


 

     

インフルエンザ迅速検査は本当に必要か?

こんにちは、内科医Hideです。

まだまだ続くインフルエンザ編です。

今日のテーマは、
「インフルエンザの検査は本当に必要か?」

これに関しては検査を受ける人を「インフルエンザ流行時期において、重篤な合併症のリスクの低い外来患者さん」に限って話しますね。
重篤な合併症のリスクに関しては、前回の記事で話しているので参考にしてください。
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これを知るにはインフルエンザ検査について理解しておく必要があります。

【インフルエンザ迅速検査】
みなさんインフルエンザの検査は受けたことありますか?
鼻の中に突っ込まれる、あれですね。笑

インフルエンザ迅速検査の特徴は

◯感度は低く(62.3%)、特異度が高い(98.2%)

というものがあります。

はて、感度、特異度、、、、、

なんのこっちゃってことですね。

インフルエンザを例にして考えましょう。

「感度」というのは、
インフルエンザと診断された患者さんで、インフルエンザ検査が陽性だった人の割合です。


つまり

感度100%の検査というのは、検査が陰性のとき100%その病気じゃない、ということ。

感度70%の検査というのは、検査が陰性のときでも30%の確率でその病気である可能性とある、ということ。

感度が高ければ高いほど、検査が陰性であったときインフルエンザである確率は下がります。

特異度
というのは、
インフルエンザと診断されなかった患者の中で、インフルエンザ検査が陰性であった割合です。

つまり

特異度100%の検査は、検査が陽性だったときに100%その病気である、ということ。

特異度70%の検査は、検査が陽性だったときに30%の確率でその病気じゃない可能性がある、ということ。

特異度の高い検査は、その検査が陽性であるときにその病気である確率が上がります。

インフルエンザの検査は
感度が低く、特異度が高い検査。

つまりインフルエンザ検査が陰性でもインフルエンザじゃない、とは強く言えない

一方で、インフルエンザ検査が陽性のときは、インフルエンザの可能性が高い、と強く言える

そうゆう検査です。


そしてこの前提に、流行期にインフルエンザ様症状があれば80%程度の可能性でインフルエンザであるというデータを組み合わせて考えると、、、


流行期に典型的症状があった場合、

検査陽性時のインフルエンザの可能性は99.3%
検査陰性時のインフルエンザの可能性は60.6%

症状が5分5分だった場合、
検査陽性時のインフルエンザの可能性は、97.2%
検査陰性時のインフルエンザの可能性は、27.7%

つまりは、インフルエンザ様の典型的な症状があった場合、検査が陰性であろうと治療をする気があるならば、検査をする必要性はない、ともいえます。

症状が微妙なときは、除外診断のために行うのはアリですね。

もし治療を行うのであれば、48時間以内に行わなければ治療効果が薄くなる可能性もあるので、

インフルエンザの検査をすべきかは

・流行期か否か
・重篤な合併症があるか否か
・外来患者さんか否か
・インフルエンザ様の典型的な症状があるか否か
・発症から48時間以内か否か

上記を統合して考慮する必要性がありますね。

「必要な人に必要な検査を」


参考文献:かぜ診療マニュアル 山本舜吾先生 吉永亮先生 上山伸也先生 池田裕美枝先生